ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 市長の部屋 > 令和2年度施政方針

令和2年度施政方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月19日更新

令和2年度施政方針

 本日ここに、第439回白石市議会定例会が開催されるにあたり、ご審議いただきます諸議案の説明に先立ち、令和2年度の市政運営に対する基本方針について、所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆さんのご理解とご協力をたまわりたいと存じます。

 「教育改革元年」と位置付けた令和元年度は、次世代を担い新たな社会の価値を創造する子どもたちに対し、確かな学力の育成をはじめとするさまざまな施策を進めてまいりました。市長就任から4年目を迎える令和2年度は「教育改革」をさらに推進するとともに、市民主導による持続可能な地域づくりを推進するため、地域を担う人材の育成を図る取り組みを充実させ、さまざまな目標の実現に向けて「勇往邁進」する所存です。

 昨年10月の台風第19号では本市も大きな被害を受けましたが、国や県などの関係機関と連携しながら、一日も早い市民生活の再建と本市の復旧を全力で成し遂げてまいります。そして、厳しい財政状況にあっても市政課題を先送りすることなく、将来にわたり持続可能な白石市となるよう各種施策を積極的に推進することで、白石市を「住みたいまち」「住み続けたいまち」とし、「市民の笑顔あふれる白石」の実現とともに、白石市が「選ばれるまち」となるよう全力を尽くしてまいります。

 さて、地方創生の「核」となる事業として整備を進めている農商工連携を核とした賑わい交流拠点「しろいし Sun(サン) Park(パーク)」は、本年4月に予定される地元食材活用レストラン「みのり Kitchen(キッチン)」のオープンにより、拠点全体のグランドオープンを迎えます。昨年4月にオープンした農産物等販売施設「おもしろいし市場」は、市内や県内を中心とした幅広い農産物や特産物の販売拠点として、オープンから約9カ月で34万人を超える方々に利用いただき、農業者や物産事業者にとって販路拡大を実感できる施設として順調な滑り出しを見せています。また、平成30年8月にオープンした子育て支援・多世代交流複合施設「こじゅうろうキッズランド」は、オープンから約1年6カ月で13万人を超える方々に利用いただき、市内外の子育て世代の新たな人気スポットとして定着してまいりました。さらに、昨年11月に整備が完了し、4月からの本格稼働に向けて準備を進めている食の安全や栄養成分を調査分析する研究施設「みのり Labo(ラボ)」と、平成30年7月に操業を開始した6次産業化加工施設「みのり Factory(ファクトリー)」、そして、「みのり Kitchen」の3施設が揃うことで、地元の農産物加工販売体制が整います。

 今後一層の農林業振興と6次産業化促進、子育て支援の充実を図るため、施設単体の魅力向上はもちろん、各施設・事業者が有機的に連携することでさらなる賑わいの相乗効果を生み出し、「しろいし Sun Park」が宮城県南地域の一大交流拠点となり、市全体にさまざまな波及効果が広がるよう、積極的なPRと運営事業者への支援を引き続き行ってまいります。

 また、東日本大震災から間もなく9年が経過します。復旧・復興も順調に進み、国や宮城県の復興計画も令和2年度末をもって計画期間終了を迎えますが、引き続き国や県と連携しながら、多くの市民が復興を実感できるよう、さらなる市民生活の発展と地域経済の活性化を図ります。

 中でも放射能対策は、「白石市除染実施計画」に掲げた目標数値を達成したことから除染措置完了としていますが、現在も除去土壌などの除染廃棄物を保管していることから、引き続き埋設箇所と仮置場の適切な維持管理を行うとともに、国の責任のもとに除染廃棄物を早急に処分するよう、国に強く求めてまいります。

 東京電力福島第一原子力発電所事故によって発生した農林業系廃棄物の本焼却は、仙南クリーンセンターで昨年5月から実施していましたが、台風第19号により発生した災害ごみの焼却を優先するため、令和2年度は休止することが決定していますので、保管状況の確認と空間線量の測定を定期的に行い、市民の不安解消と安全・安心の確保に努めます。

 次に、第5次白石市総合計画「人・暮らし・環境が活きる交流拠点都市づくり」についてであります。

 令和2年度は、本市の最上位計画である「第5次白石市総合計画」の最終年度となります。本年も「人・暮らし・環境が活きる交流拠点都市づくり」を目指し掲げてきた5つの目標を推し進めながら、令和3年度からの白石市の新たな将来像となる「第6次白石市総合計画」を市民の皆さんと一緒に策定してまいります。

 「第6次白石市総合計画」は、人口減少や少子高齢化など社会情勢が大きく変化する中にあっても、白石市が持続可能なまちであるために、地域経済の発展や活力ある地域社会の形成を図りながら、未来の白石市を担う人材とともに、地域を牽引するリーダーをはじめとする地域を担う人材を育成し、将来にわたって賑わいと活気のあるまちであり続けるよう、多くの市民の皆さんの意見を反映しながら創り上げてまいります。

 また、人口・経済・地域社会などの課題解決につなげるための指針として平成27年度に策定した、白石版地方創生総合戦略『白石市まち・ひと・しごと創生「人口ビジョン」及び「総合戦略」』は、これまでの事業成果を再検証し、国や県の総合戦略を踏まえつつ本市の最上位計画である「第6次白石市総合計画」との整合性を図るとともに、「関係人口の創出と拡大」「人材育成」などの新たな視点も加えながら、令和6年度までを計画期間とする第2期の総合戦略を策定します。

 以下、「第5次白石市総合計画」に掲げた5つの目標に沿って、主な施政の概要をご説明します。

 

豊かな感性と人間性を育み、伝統文化を継承するまち

 はじめに「第5次白石市総合計画」の1つ目の目標の「豊かな感性と人間性を育み、伝統文化を継承するまち」です。

 学校教育の充実は、次世代を担い新たな社会の価値を創造する子どもたちの確かな学力育成を図るため、令和元年度に引き続き「教育改革」を進めます。

 埼玉県と共同で行っている学力・学習状況調査の結果分析と課題解決に向けた授業改善は、文部科学省の専門官と授業改善の実践的スキルを持つ有識者の2名を新たに「教育アドバイザー」として招へいするとともに、引き続き宮城県教育委員会の指導・支援を得ながら強力に推進します。

 また、生涯にわたる学習の基盤を培う幼児期の重要性に鑑み、幼児教育に関する専門的なノウハウを有する宮城教育大学と連携し、幼児教育の充実を図ります。

 さらに、幼稚園や小中学校での生活介助や学習支援を行うための「特別支援学級等支援員」を継続配置し、支援を必要とする子どもたちに適切できめ細やかな教育を行います。

 加えて、地域との連携推進と「社会に開かれた学校」の創造を目指し、小原小学校・小原中学校に本市初の「コミュニティ・スクール制度」を導入します。小原小学校・小原中学校は、通称「小原学園」として小中一貫のカリキュラムを編成し、特色ある小規模特認校としてスタートします。

 外国語教育は、令和2年度から小学校で新学習指導要領が完全実施となり、外国語が教科化されることを踏まえALT(外国語指導助手)を増員し、小学校低学年と幼児教育から外国語教育を実施していきます。さらに、小学校・中学校の全学年を対象に英語検定試験への補助を行い、英語能力の磨き上げを支援するとともに、文部科学省による「小中学校英語教育特区」の認定を目指します。

 学校施設は、施設や設備の修繕工事を継続して実施することにより、学校生活における児童生徒の安全を確保します。また、トイレの洋式化などを進めるとともに、夏の猛暑に対応するため、昨年中に各教室に設置したエアコンを有効に活用し、教育環境の向上を図ります。

 生涯学習は、生涯学習フェスティバル事業や各種スポーツ大会、碧水園やホワイトキューブなどの文化・スポーツ施設を活用したイベントを通して生涯学習意識を醸成し、一層の推進を図ります。

 歴史文化の継承と創造は、白石城での白石城茶会や白石城歴史探訪ミュージアムでの企画展、武家屋敷や検断屋敷での伝統行事の再現、碧水園での能公演、壽丸屋敷でのきものまつりやひな人形展などを通して、白石の魅力発信と交流人口の拡大を図ります。

 また、歴史ある貴重な白石和紙を後世に引き継ぐため、白石和紙の自力生産に取り組んでいる市民グループへの支援を継続するとともに、他に類をみない和紙工芸品である白石紙子をPRし、地場産業工芸品としての販売を推進します。

 

安心して子どもを産み育て、心やすらかに暮らせるまち

 次に、2つ目の目標の「安心して子どもを産み育て、心やすらかに暮らせるまち」です。

 地域共生社会の実現に向けて、誰もが地域において役割を持ち、他人ごとではなく我がこととして主体的に参加し、互いに支え合いながら、住み慣れた場所で安心して暮らすことができるまちづくりを推進するため、令和3年度から5カ年の計画期間とする「白石市地域福祉計画」の策定を進め、地域福祉を構成する地域住民や社会福祉協議会など関係団体との連携体制の確保や協働の仕組みづくりを推進します。

 子育て支援は、活力ある、笑顔あふれるまちを持続させ、子どもたちとその親の世代にとって魅力的なまちづくりを進めるため、子育て支援の新たな拠点となる「子育て世代包括支援センター」を、令和2年度内の設置に向けて準備を進め、母子保健施策と子育て支援施策の一体的な提供体制を構築し、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を目指します。

 「赤ちゃん誕生応援事業」は、14回の妊婦健康診査の費用を助成する「妊婦健康診査費助成事業」や、個別の歯科医療機関において無料で1回受診できる「妊婦歯科健康診査」、不妊治療の医療費を助成する「特定不妊治療費助成事業」などとともに、妊娠を希望する女性と配偶者などに対する「風しん予防のための予防接種費用助成事業」も継続して実施します。また、41歳から58歳までの男性を対象とした風しんの追加的対策は3年計画の2年目となりますので、対象年齢層への周知をはじめ未受検者に再勧奨を行い、受検率を高めるよう取り組みます。

 さらに、「子ども医療費助成事業」は、子育て家庭の経済的負担の軽減と子育て環境の充実を図るため、県の補助基準を超える助成を独自に実施し、引き続き通院・入院とも所得制限なしで中学3年生まで助成します。

 保育環境は、本市初の民設民営による地域型保育事業の一つである「小規模保育事業所」が4月に開園することから、待機児童解消の一翼を担うことと期待しているところです。また、令和3年4月の開園に向けて、老朽化した深谷保育園に替わる私立認可保育園の整備や、ひかり幼稚園が認定こども園に移行するための施設整備を支援することで待機児童の解消に努め、市民が安心して子どもを生み育て、子どもが健やかに成長できるまちづくりを推進します。

 また、東大畑地区の「子育て応援住宅」の入居者が市内に住宅を取得した際に支援する「白石市子育て応援住宅入居者向け定住促進補助金」は、平成29年度に設置した「白石市子育て応援住宅基金」を活用しながら、子育て支援と定住促進を図ります。

 高齢者支援は、令和3年度からの3カ年を計画期間とする「白石市高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画」の策定を進め、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、在宅医療と介護の連携や認知症施策などの推進を図ります。また、市民の誰もが参加し、楽しく介護予防に取り組むことができる「いきいき百歳体操」を自主的に取り組む団体に対して活動支援を行い、高齢者がいきいきと健康で元気に暮らすことができるよう介護予防施策を推進し、健康寿命の延伸を図ります。

 障がい者支援は、障がい者の自立と社会参加への支援を推進するため策定した「第5期白石市障害福祉計画」「第1期白石市障害児福祉計画」が計画期間の最終年度を迎えるため、令和3年度からの3カ年を計画期間とする次期計画の策定を進め、誰もが相互に人格と個性を尊重して支え合う共生社会の実現を図ります。

 地域医療の確立は、白石市医師会や仙南歯科医師会白石支部とさらなる連携を図り、安全・安心な医療の提供体制強化に努めます。さらに、仙南地域の医療体制に関しては、地域医療構想の実現に向けた国の重点支援区域に選定されるとともに、公立刈田綜合病院とみやぎ県南中核病院との間で医療機能の分化と診療科目の再編、機能別病床数の調整が協議されていることから、これらを注視しつつ、公立刈田綜合病院の経営健全化を継続して支援してまいります。

 健康づくり支援は、仙台大学と連携した新規事業として「働き世代から始める健康づくり推進事業」を立ち上げ、健康指導や運動教室を共同で実施することで、働き盛りの現役世代が早い段階から正しい生活習慣と運動習慣を身に付け、将来、生活習慣病にならないよう取り組んでいきます。

 また、令和元年度から実施しているがん患者のための「医療用ウィッグ購入費助成事業」を継続し、がん患者の治療と社会参加の両立を支援するとともに、「造血幹細胞移植後ワクチン再接種費用補助金」を新たに事業化し、小児がんなどの治療のために造血幹細胞移植を受け、予防接種によって得た免疫が低下または消失した20歳未満の方が、再度予防接種を受ける場合の費用を助成することで、感染症の予防と経済的負担の軽減を図ります。

 都道府県が財政運営主体となって3年目を迎える「国民健康保険事業」は、国からの激変緩和措置の終了が予定される令和6年度以降に向けて、国保事業費納付金の算定や保険料水準の統一などの課題に関する協議を、宮城県や県内市町村と継続して行ってまいります。また、被保険者が減少する中、1人当たりの医療費は増加傾向が続いていることから、特定健診の受診勧奨と保健指導の啓発に努め、人間ドック費用の助成やジェネリック医薬品の周知を図るなど、被保険者の健康の保持・増進と医療費抑制を図ります。

 

市民が主役になって地域をつくり、交流を楽しむまち

 次に、3つ目の目標の「市民が主役になって地域をつくり、交流を楽しむまち」です。

 地域コミュニティの活性化は、「第5次白石市総合計画地域計画」の各地区のまちづくり宣言の実現を目指し、創設8年目となる「まちづくり交付金」を活用しながら、市民主導による持続可能な地域づくりを推進します。

 「城花町しろいし事業」は、白石の魅力アップに向けた取り組みを推進するとともに、地域で活躍できる人材の育成を図る取り組みを充実させます。

 登別市・海老名市・札幌市白石区との姉妹友好都市交流は、引き続き白石市姉妹友好都市交流協会と連携し、次世代を担う青少年のスポーツ・文化活動などの親善交流を行います。また、オーストラリアへの中学生派遣事業を継続するとともに、新たに中国や台湾の学生との交流の機会を設けることで児童生徒の意欲を引き出し、交流を通して異文化に対する理解を深め、国際感覚豊かな青少年の育成を図ります。

 さらに、広域連携の推進として、歴史・文化的な繋がりが深く、ヒト・モノの交流が多い福島市を中心とする市町村で構成する「福島圏域連携推進協議会」に引き続き参画し、観光・移住・定住分野などでの県境を越えた、さらなる広域連携を進め交流人口と関係人口の拡大を図ります。

 また、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が開催される本年は、本市と柴田町、仙台大学で設立した「白石市・柴田町・仙台大学東京オリ・パラ事前合宿招致推進協議会」や「ベラルーシ新体操SAKURA(サクラ) ファンクラブ」と連携してベラルーシ新体操ナショナルチームの活動を支援するとともに、本大会への応援ツアーを実施します。さらに、ホストタウンとしてベラルーシ新体操ナショナルチームの活躍を多くの市民が応援できるよう、ライブ放送によるパブリックビューイングを実施します。

 

産業の活力を生む新しい価値を創造し続けるまち

 次に、4つ目の目標の「産業の活力を生む新しい価値を創造し続けるまち」です。

 定住促進は、市内に住宅を取得された方への「白石市定住者補助金事業」や「白石市民住宅取得補助金事業」、新婚家庭への「白石市新婚家庭家賃補助金事業」を継続します。また、移住定住の拠点施設として定着してきた「白石市移住交流サポートセンター109(トーク)one(ワン)」を基点として、首都圏からのUIJターンの促進と交流人口・関係人口の拡大による地域活力の向上を図ります。

 企業誘致は、産業の振興や雇用の確保を図るため、今後も企業立地セミナーの参加や関係機関との連携などトップセールスによる企業誘致活動を積極的に行うとともに、市内立地企業への訪問活動を行い、よりよい関係構築を図ります。また、新たな雇用の場の創出を図るため、「(仮称)白石中央スマートインターチェンジ」を活用した工業団地の整備に向け、具体的計画の策定と企業情報の収集に取り組みます。

 また、全国で深刻な社会問題となっている空家等は、平成28年度に策定した「白石市空家等対策計画」と合わせて、昨年11月に宮城県宅地建物取引業協会と全日本不動産協会宮城県本部、本市の三者で締結した「空き家バンク事業に関する協定」により民間の活力を最大限に活用しながら、引き続き適切な管理の促進や有効活用に向けた空家等対策を進めます。

 中心市街地の活性化は、地元商店組合などが行う中心商店街活性化事業への助成や各種観光施策との相乗効果により、賑わいの創出を図ります。

 創業支援は、昨年12月に国から変更認定を受けた「白石市創業支援等事業計画」に基づき、創業者のスキルアップを図るための「創業塾」を関係機関と連携し開催することで創業を後押しするとともに、「空き店舗等対策事業補助金」の活用などを通して創業を目指す方々への支援を行います。

 農林業の振興は、『食味日本一の「しろいし米」復活プロジェクト』を引き続き支援するとともに、白石三白野菜は、農産物のブランド化に向けた普及促進を継続します。

 また、「農地中間管理事業」を活用した農地集積を推進し、生産現場の強化と耕作放棄地の発生防止に努めます。

 さらに、平成30年度から農林業や移住・定住などの分野で活用している「地域おこし協力隊」を継続し、本市の地域力の向上を図ります。

 有害鳥獣対策は、イノシシによる農林作物への被害がいまだ大きく、平成30年度は1,773頭、令和元年度も1月末現在で1,574頭を捕獲しています。今後も捕獲による個体数の調整を行うとともに、電気柵などの設置や箱わな製作への補助を継続し、被害防止対策の強化に努めます。

 交流人口の拡大は、白石市観光協会や温泉旅館組合、JRなどの関係団体との連携を強化するとともに、新たに地域おこし協力隊を活用し、白石城における甲冑体験を旅行商品として販売するほか、弥治郎こけし村での絵付け体験などを通し、着地型観光資源の磨き上げと集客力の強化を図ります。

 さらに、令和3年4月から9月までの半年間、東北6県が連携して実施する「東北デスティネーションキャンペーン」が開催されることから、推進組織である東北デスティネーションキャンペーン推進協議会や仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会などと協力し、デスティネーションキャンペーンでの観光客の受け入れ準備を進めます。

 また、JRをはじめとした旅行事業者の企画商品や観光旅行誌などで積極的な観光PRを行うとともに、SNSなどを有効に活用し、さらなる観光客の誘客拡大に努めます。

 インバウンドの推進は、平成28年度から東北観光復興対策交付金を活用し、山形市・上山市・蔵王町との広域連携により取り組んでいます。令和2年度は、引き続き3市1町での取り組みに川崎町と七ヶ宿町を加えた「One(ワン) ZAO(ザオー)」での海外プロモーションと、訪日外国人観光客の受け入れ体制の整備を図ります。

 また、訪日外国人観光客を南宮城4市9町に誘客するための日本版DMO「一般社団法人宮城インバウンドDMO」の構成自治体として、広域的な連携をさらに強化して、南宮城の観光地としての魅力を海外にPRし誘客を図ります。

 さらに、「白石城さくらまつり」「全日本こけしコンクール」「白石市民春まつり」「白石夏まつり」「しろいし蔵王高原マラソン大会」「鬼小十郎まつり」「白石市農業祭」など、四季折々のイベントを市民の皆さんと一緒に盛り上げ、白石の魅力発信と交流人口・関係人口の拡大を図ります。

 

美しい自然を受け継ぎ、安全で快適に過ごせるまち

 最後に、5つ目の目標の「美しい自然を受け継ぎ、安全で快適に過ごせるまち」です。

 防災対策は、昨年の台風第19号の被害を教訓に、「白石市地域防災計画」の見直しを行い、さらなる防災体制の充実に努めるとともに、災害に強い安全・安心なまちづくりを目指します。

 特に、発生時に被害を軽減するためには「自助」である災害への備えと、「共助」である地域住民同士での助け合いが必要不可欠です。災害への備えとして、液体ミルクをはじめとする備蓄品の充実をさらに進めるとともに、自主防災組織への支援を継続し、新たなハザードマップを本年の出水期前に市内全戸に配布し、市民一人一人があらためて防災や減災への意識を高めるように努めます。共助の面では、宮城県の「自主防災組織育成・活性化支援モデル事業」を活用し、引き続き自主防災組織結成への支援を継続するなど地域防災力の向上を目指します。

 また、各地区消防団の皆さんには、火災や台風による大雨災害への対応などのさまざまな活動を、昼夜問わず行っていただいています。地域を守る消防団の強化のため、より安全な活動服への更新を行うなど消防団装備の充実を図るとともに、引き続き消防団員の確保に努めます。

 さらに、現在アナログで使用している防災行政無線の電波が令和4年11月30日で停止することから、デジタル化にあたり、国の「緊急防災・減災事業債」を活用して整備を進めます。

 加えて、令和元年度の国の補正予算で予算化された「防災・安全社会資本整備交付金」を活用し、令和2年度への繰り越し事業として、災害時の避難施設の機能強化を図ることを目的に、市内2つの小学校にマンホールトイレを整備します。

 水道事業は、効率的に水道施設を管理し持続可能な事業運営とするため、令和元年度から「アセットマネジメント計画」の策定に着手していますが、令和2年度は計画に基づき経営戦略の見直しを行い、適正な料金のあり方についても検討を進めます。また、昨年より民間に委託した料金業務の内容を拡大し、さらなる民間活力の導入を図ります。老朽化した水道施設の更新では、市道中央通り線の配水管耐震化工事を行い、県道白石丸森線の改良に合わせて大町ポンプ場の新設工事を実施するとともに、城南配水池の撤去など施設のダウンサイジングと統廃合を進めます。

 下水道事業は、引き続き「ストックマネジメント計画」の策定を進め、施設の効率的な維持管理と更新に努めます。農業集落排水では薬師堂地区の公共下水道への接続を進め、八幡町地内の雨水排水路整備工事を継続して実施し、年度内の完成を目指します。

 上下水道事業は、人口減少や施設の老朽化など厳しい経営環境にありますが、さらなる事業の合理化を進めるとともに、経営基盤を強化し未来へと引き継ぐことができる事業とするため、県内や仙南地域での広域化や広域連携の検討を積極的に推進します。

 都市環境の整備は、市中心部の交通ネットワーク機能の強化と通学路の安全確保を図るため、平成30年度から都市計画道路「中河原白石沖線」事業に着手しています。引き続き不動産鑑定と建物などの補償調査を実施し、用地買収と建物などの移転補償を進めます。

 公共交通網の確保は、日常の生活の足となる市民バスや乗合タクシーの運行を継続し、より効率的で効果的な運行に努め、引き続き便利で快適なまちを目指します。

 市民バスは、利用しやすい公共交通網形成のため時刻やルートなどの見直しを行い、利便性の向上を図ります。また、試験運行中の中心市街地循環便は、時刻やルートなどの見直しを検討しながら、本運行の可否を判断するため試験運行を継続し、将来にわたって市民が安心して暮らし続けることができる公共交通の確保に努めます。

 益岡公園野球場は、「公園施設長寿命化対策支援事業」で平成28年度から改修工事に着手していますが、引き続き工事を実施し一日も早い完成を目指します。

 環境対策は、令和元年度から10年間を計画期間とする「第3次白石市環境基本計画」に基づき、豊かな自然環境を市民と保全しながら生活環境の向上を図るとともに、持続可能な循環型社会を構築するための施策の実施や地球温暖化対策に努めます。

 

人・暮らし・環境が活きる交流拠点都市へ!

 以上、令和2年度の施政の概要を申し述べさせていただきました。

 令和2年度は、これらの施策を着実に実行し、税収の確保や行財政改革による健全財政に努めながら、「第5次白石市総合計画」に掲げた5つの目標を達成するために邁進します。そして、令和3年度からの白石市の新たな将来像となる「第6次白石市総合計画」にしっかりと引き継ぎ、「持続可能な白石市」実現のための基礎を築き上げてまいります。

 その中でも、長期的観点での財政負担の縮減や平準化を図るため、「公共施設等総合管理計画」に基づく「個別施設計画」を策定し、各公共施設の更新や統廃合、長寿命化などを計画的に管理するとともに、厳しい財政状況下においても効率的で質の高い行政サービスの実現を目指すため、引き続き白石市行財政改革推進計画「集中改革プラン[第4次改訂版]」に基づき、業務の効率化や自主財源の確保、経費の節減・合理化などを推進し、選択と集中によるメリハリのある行財政運営に取り組んでまいります。

 特に、新たな自主財源として順調な伸びを見せている「ふるさと納税寄附金」は、利便性の確保や返礼品の充実、業務効率の向上などを図ることで、より多くの方々に白石市を継続して応援していただくとともに、交流人口や関係人口の拡大にもつながるよう努めてまいります。

 最後に、白石市の新たなヒト・モノの流れを生み出す施策として進めている「(仮称)白石中央スマートインターチェンジ」の整備は、昨年9月にその必要性が認められ、国の準備段階調査に採択されました。本市が一層の成長を成し遂げていくためには、地域間のネットワークを強化するための幹線道路をはじめとする社会基盤整備が必要不可欠であり、特に、スマートインターチェンジの整備は、交流人口や関係人口の拡大と円滑な物流の確保など、地域間の相互連携により相乗効果を生み出す「地域活性化の起爆剤」と考えており、地元企業からも大きな期待が寄せられています。「(仮称)白石中央スマートインターチェンジ」が整備されれば、東北縦貫自動車道のさらなる有効活用が図られ、新たな企業誘致の実現や企業活動の支援をはじめ、中心市街地の活性化や観光振興、地域医療の充実、災害支援など、さまざまな効果が期待できることから、引き続き関係機関と協議を進め早期事業化を目指します。

 冒頭で申し上げました通り、厳しい財政状況にあっても市政課題を先送りすることなく、将来にわたり持続可能な白石市となるよう各種施策を積極的に推進し、令和2年度が白石市にとって「勇往邁進」する1年となるよう、私自身も全力疾走・全力投球で取り組んでまいります。そして、市民の皆さんとともに「人・暮らし・環境が活きる交流拠点都市」を形成することで白石市を「住みたいまち」「住み続けたいまち」とし、「市民の笑顔あふれる白石」の実現とともに、白石市が「選ばれるまち」となるよう全力を尽くしてまいります。

 今後とも、議員各位をはじめ市民の皆さんの市行政全般に対するなお一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、所信表明といたします。