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平成28年度 決算審査の結果 公営企業会計

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年9月22日更新

水道事業会計

1.審査の対象

 平成28年度 白石市水道事業会計

2.審査の期間

 平成29年6月22日から平成29年8月14日まで

3.審査の方法

 この決算審査にあたっては、地方公営企業法第30条第2項の規定により、市長から審査に付された決算書類(決算報告書、損益計算書、剰余金計算書、剰余金処分計算書、貸借対照表)並びに決算附属書類(事業報告書、収益費用明細書、固定資産明細書、企業債明細書)が、地方公営企業法その他関係法令に準拠して作成され、かつ、企業の財務状況および経営成績を適正に表示しているかどうかについて審査した。
 審査にあたっては、関係帳票、証拠書類の提出を求め、さらに経営内容の動向を把握するため、計数分析による比較検討を行うとともに、関係責任者の説明を聴取した。

4.審査のまとめ

 当年度の経営成績については、総収益9億9,936万9千余円、総費用8億3,444万2千余円となり、差し引き1億6,492万7千余円の純利益を計上し、これは前年度と比べると6,144万2千余円の増益となった。この結果、純利益に前年度繰越利益剰余金を加えた当年度未処分利益剰余金は、6億1,201万5千余円となり、これに減債積立金1億3,206万円と建設改良積立金8,600万円を合わせた利益剰余金では8億3,007万5千余円となった。
 また、経営分析による収益率では、前年度との比較で、総括的な収益の割合を示す総収支比率が7.00ポイント上昇して119.76%となり、経営状況が良かったことを示している。

 純利益が増加した主な要因は、事業費用において、簡易水道の資産消耗費の計上等において、前年度より2,329万余円増額となったものの、事業収益において水道高料金対策に要する補助金(他会計補助金)1億410万7千余円等の増額により、前年度と比べ8,473万2千余円の増額となったことによるものである。

 年間の給水状況を見ると、給水戸数13,350戸、33,078人に供給している。これは、前年度と比較すると、給水戸数は43戸増えているが、給水人口は284人減少している。
 料金収益となる有収水量は316万5千立方メートルで、前年度と比べ4万9千立方メートルの減少となり、給水収益で1,304,万8千余円の減額となっている。
 有収率は70.79%(前年度72.83%)と低水準にあり、これにより、給水原価が供給単価を5円40銭上回る結果になっている。損益に直結する有収率が低下し低水準にあることは、経営を圧迫する大きな要因の一つと考えられるので、その原因を特定しその対応策を検討し早急に改善されるよう強く望むものである。

 平成28年度単年度としては、利益剰余金の増、収益率の上昇などにより、経営状況は良かったと思われるが、その内容は一時的な補助金の増額によるものが大きく、また、収益の根幹である給水収益が、給水人口の減に伴い減額となっていること等を考えると、決して良好な経営状況であったとは言い難い。
 当市の水道事業は、今後給水人口・給水量の減少に伴い給水収益も減少することが予想され、一方では老朽化した施設および管路が更新時期を迎え更新費用の確保が必要となり、大変厳しい課題に直面している。


 水道事業は市民生活や経済活動を支える重要なライフラインで、今後も安全で良質な水道水を安定的に供給する重要な使命があり、そのためには、事業環境の変化や経営課題に的確に対応し効率的な事業運営に努め、安定的な経営が求められます。
 平成27年度に策定した「白石市水道ビジョン」を基本に、長期的な安定経営を図るために、これを具体的に推進する中・長期的な展望に立った財政計画および施設整備等の実施計画を策定し、確実に推進するよう望むものである。

 

 

下水道事業会計

1.審査の対象

 平成28年度 白石市下水道事業会計

2.審査の期間

 平成29年6月22日から平成29年8月14日まで

3.審査の方法

 この決算審査にあたっては、地方公営企業法第30条第2項の規定により、市長から審査に付された決算書類(決算報告書、損益計算書、剰余金計算書、欠損金処理計算書、貸借対照表)並びに決算附属書類(事業報告書、収益費用明細書、固定資産明細書、企業債明細書)が、地方公営企業法その他関係法令に準拠して作成され、かつ、企業の財務状況および経営成績を適正に表示しているかどうかについて審査した。
 審査にあたっては、関係帳票、証拠書類の提出を求め、さらに経営内容の動向を把握するため、計数分析による比較検討を行うとともに、関係責任者の説明を聴取した。

4.審査のまとめ

 当年度の経営成績については、総収益は10億6,914万9千余円で、総費用は13億8,862万3千余円となり、前年度よりも1億9,714万6千余円多い3億1,947万4千余円の純損失を計上することとなった。
 この結果、純損失に前年度繰越欠損金を加えた当年度未処理欠損金は、11億3,502万余円となった。
 事業別に見ると、公共下水道事業では、総収益は9億5,156万9千余円で、総費用は12億5,083万7千余円となり、差し引き2億9,926万7千余円の純損失となった。また、農業集落排水事業では、総収益は1億1,757万9千余円で、総費用は1億3,778万6千余円となり、差し引き2,020万6千余円の純損失となった。
 純損失が増加した主な要因は、公共下水道事業において、東日本大震災による損失として特別損失に、前年度より2億5,652万8千余円多い4億5,350万3千余円を計上したこと等によるものである。
 経営分析による収益率では、前年度との比較で、総括的な収益の割合を示す総収支比率が12.34ポイント低下して76.99%となり、営業活動の能率を示す営業収支比率では0.65ポイント上昇したが65.38%と低水準となっており、大変厳しい経営状況である。

 下水道事業の普及状況において、公共下水道は処理区域内人口22,913人に対し、水洗化人口21,569人で、水洗化率は94.13%となり、前年度より0.67%上昇している。
  一方、農業集落排水事業では、処理区域内人口1,913人に対し、水洗化人口1,224人で、水洗化率は63.98%となり、前年度より1.19%上昇した。
 総処理水量に対する有収水量率が92.61%で前年度より0.02%低下している。有収水量の低下は処理原価につながるため適切な対応に努めていただきたい。そして、水洗化人口を増やすことが経営の健全化には必須の要件であることから、積極的な加入促進の推進を図るよう望むものである。


 建設改良事業としては、8億6,299万4千余円をもって、公共下水道事業ではマンホール蓋更新工事、雨水幹線工事および東日本大震災に伴う災害復旧工事を行った。東日本大震災からの復旧工事は一部繰越となり平成29年度で完了する見通しとなった。


 下水道事業は快適な生活環境を維持する上で、重要な役割を果たしている。昨今の下水道事業を取り巻く環境は人口の減少、施設の維持管理への投資等大変厳しい課題があるが、公営企業としての使命を果たすためには、長期にわたり安定的な経営が求められる。将来にわたって市民の安全・安心を支える下水道事業の実現に向けて料金改定も含め、中・長期的な展望にたった財政計画および施設整備を策定すること等により、経営の効率化と安定的な事業運営をが図ることを望むものである。