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平成29年度 決算審査の結果 公営企業会計

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月25日更新

1.審査の対象

 平成29年度白石市水道事業会計決算
  平成29年度白石市下水道事業会計決算

2.審査の期間

 平成30年7月17日から平成30年8月13日まで

3.審査の方法

 この決算審査にあたっては、地方公営企業法第30条第2項の規定により、市長から審査に付された決算書類(決算報告書、損益計算書、剰余金計算書、剰余金処分計算書、欠損金処理計算書、貸借対照表)並びに決算附属書類(事業報告書、収益費用明細書、固定資産明細書、企業債明細書)が、地方公営企業法その他関係法令に準拠して作成され、かつ、企業の財務状況および経営成績を適正に表示しているかどうかについて審査した。
 審査にあたっては、関係帳票、証拠書類の提出を求め、さらに経営内容の動向を把握するため、計数分析による比較検討を行うとともに、関係責任者の説明を聴取した。

4.審査のまとめ

1.水道事業会計

 平成29年度の経営成績については、総収益9億1,128万5千余円、総費用8億6,335万5千余円となり、差し引き4,792万9千余円(前年度1億6,492万7千余円)の純利益を計上した。この結果、純利益に前年度繰越利益剰余金を加えた当年度未処分利益剰余金は、6億5,169万5千余円となり、これに減債積立金1億4,031万円と建設改良積立金8,600万円を合わせた利益剰余金では8億7,800万5千余円となった。
 純利益が前年度より1億1,699万8千余円減少しているが、主な要因は営業外収益において、前年度あった高料金対策に要する補助金1億410万7千余円が無くなったことによるものである。

 経営分析による収益率では、総括的な収益の割合を示す総収支比率が105.55%(前年度119.76%)となり、前年度よりは14.21ポイント低下したが、各種財務比率等を見ると概ね良好な指標を示している。
                            
 年間の給水状況を見ると、給水戸数13,413戸、32,827人に供給している。これは、前年度と比較すると、給水戸数は63戸増えているが、給水人口は251人減少している。
 料金収益となる有収水量は313万5千立方メートルで、前年度と比べ2万9千立方メートルの減少となったが、給水収益で135万2千余円の増額となっている。
 給水収益の増加は、三住・湯元簡易水道事業を上水道事業に統合したことによるものと思われる。
 有収率は72.22%(前年度70.79%)と改善はしているが、依然として低水準にあり、有収率が低水準にあることは、経営を圧迫する要因の一つと考えられることから早期の改善を望むものである。平成29年度より3カ年計画で「有収率向上基本計画策定業務」に取りかかり、3年後には80%という目標を掲げていることから、今後の成果に期待するものである。

 経営基盤の強化を図るため、平成29年4月1日より、三住・湯元簡易水道事業を上水道事業に統合し、そして平成30年4月1日より、上戸沢・下戸沢簡易水道事業を飲料水供給施設に変更したことは時宜を得た対応であると評価するものである。
 水道事業は市民生活や経済活動を支える重要なライフラインであり、今後想定される、給水人口の減等による給水量の減少、そして、老朽化した施設、管路の更新等の課題に的確に対応し安定的な経営が求められる。
 今後は平成27年度に策定した「白石市水道ビジョン」を基本に、平成28年度に策定した「白石市水道事業経営戦略」および平成29年度に策定した「上水道再構築計画」を確実に推進することにより長期的な安定経営を図るよう望むものである。
 

 

2.下水道事業会計

 平成29年度の経営成績については、総収益は9億7,869万4千余円で、総費用は13億1,587万5千余円となり、前年度よりも1,770万7千余円多い3億3,718万1千余円の純損失を計上することとなった。
 この結果、純損失に前年度繰越欠損金を加えた当年度未処理欠損金は、14億7,220万1千余円となった。

 事業別に見ると、公共下水道事業では、総収益は8億7,944万5千余円で、総費用は11億8,140万7千余円となり、差し引き3億196万2千余円の純損失となり、農業集落排水事業では、総収益は9,924万8千余円で、総費用は1億3,446万7千余円となり、差し引き3,521万9千余円の純損失となった。

 経営分析による収益率では、前年度との比較で、総括的な収益の割合を示す総収支比率が2.61ポイント低下して74.38%となり、各種財務比率等を見ると大変厳しい指標を示している。

 下水道事業の普及状況について、全体で処理区域内人口24,536人に対し、水洗化人口22,859人で、水洗化率は93.17%となり、前年度より1.36%上昇している。総処理水量に対する有収水量率は92.68%で前年度より0.07%上昇している。

 建設改良事業としては、管渠敷設工事、雨水幹線工事、マンホール蓋更新工事および東日本大震災に伴う災害復旧工事を行った。東日本大震災からの復旧工事はすべて本年度で完了した。これまでの職員の努力に敬意を表するものである。

 大変厳しい財政状況下にあることから、事務および事業の効率化を推進し経費の節減を図るとともに、下水道接続の普及促進および使用料等の収納率の向上に努め、収入の確保を図るよう望むものである。
 また、決算額と予算額との間に大きな差が見受けられたものがあるので、予算の積算はより精査し計上されるよう望むものである。
 下水道事業は快適な生活環境を維持する上で、重要なライフラインであり、公営企業としての使命を果たすためには、長期にわたり安定的な経営が求められる。将来にわたって市民の安全・安心を支える下水道事業の実現に向けて、平成29年度に策定した「白石市下水道事業経営戦略」を基本とし安定的な事業運営を図ることを望むものである。