白石を彩る城下の情景

片倉小十郎が築いた城下の町並み

 月の光に照らし出され、いにしえの面影が浮かび上がる城下の町並み。天空にそびえ立つ勇壮な城郭は、白石市のシンボル・白石城です。
白石城は、慶長七(1602)年に片倉景綱(かたくらかげつな)が入城してから260余年にわたり片倉氏の居城となりました。 江戸幕府が発布した一国一城令以後も、仙台藩の支城である白石城が廃城されることはありませんでした。景綱は仙台藩祖・伊達政宗を支えた重臣です。 景綱の通称である小十郎の名は代々の当主に受け継がれ、片倉氏は白石市の礎となる城下の町並みを築き上げました。 戊辰戦争の際には、この城で奥羽越列藩同盟(おおうえつれっぱんどうめい)が結ばれるなど、白石城は歴史の転換期に重要な役割を担ってきました。
明治7(1874)年に解体された白石城。その天守閣(三階櫓(やぐら))と大手門が復元されたのは平成7(1995)年のことです。 補強金具などを使わない日本古来の建築様式で復元された天守閣は、 戦後の木造復元天守としては高さ(石垣天端から16.7m)、広さ(1階/東西九間×南北六間)とも日本最大級の規模を誇ります。
白石城の北、かつての三の丸外堀にあたる沢端川(さわばたがわ)沿いに建つ武家屋敷は、往時の面影を今に伝える中級武士・旧小関家(こせきけ)の住まいです。 片倉家の菩提寺である傑山寺(けっさんじ)をはじめ、白石城の城門を移築した延命寺や当信寺など、城下の史実を語り継ぐ寺社も市内各所に点在。 愛宕山山麓の片倉家御廟所(かたくらけごびょうしょ)には歴代当主の石像が厳かに立ち並んでいます。

豊かな自然が彩る四季折々の風景

 蔵王連峰とその名峰を源とする白石川。豊かな自然と清らかな水に恵まれたまちの情景も白石市の魅力です。
白石川に沿ってV字型の渓谷が続く碧玉渓(へきぎょくけい)は、清流に新緑や紅葉が映える絶景です。 その上流には国の天然記念物・材木岩の巨壁が切り立ちます。 高さ65mほどの岩肌に、巨大な材木を並べたような造形が100mほど続く景観は圧倒的な迫力です。 まちを彩る常林寺のサクラや、沢端川の梅花藻(ばいかも)、清流を乱舞するホタルも白石市ならではの季節の風物詩と言えます。 蔵王連峰の山麓に佇む湯宿は600年以上もの伝統を誇る鎌先温泉。 小原温泉とともに「キズに鎌先、目に小原」と言われる名湯です。 赤い鳥居の回廊が続く萬蔵稲荷神社(まんぞういなりじんじゃ)や、季節の彩りを水面に映す馬牛沼(ばぎゅうぬま)には神秘的な伝説も残されています。
四季折々の風景に彩られる城下の町並み……。 かつて片倉氏の城下町として栄えたこのまちは、城下の面影と豊かな自然が織りなす色とりどりの情景に満ちています。

下記画像クリックで詳細表示します。

白石市
TOPへ戻る